交通事故に遭ってしまった際、心身ともに大きな負担がかかります。しかし、ここで問題となるのが、保険会社による「治療打ち切り」の問題です。
交通事故では「まだ痛みがあるのに…」「納得できない…」となってしまうリスクを常に頭に入れておく必要があります。
保険会社は営利企業であり、残念ながら常に被害者の立場に立ってくれるとは限りません。
この記事では、保険会社が治療を打ち切ろうとする背景から、具体的な対処法、そして知っておくべき重要なポイントを解説していきます。泣き寝入りせず、適切な補償を受けるために、ぜひ最後までお読みください。
治療の短期打ち切りによるデメリット
- 補償が終了になると治療費は自己負担になる
- 後遺障害認定で不利になりやすい
- 慰謝料が低額になる
ケガが完治していないのに治療を打ち切ると、このような事態が起きます。ケガ以外に補償面も含めてさまざまな面でデメリットがあります。
なぜ、保険会社は理不尽に治療打ち切りを提示してくるのか?
一般的な感覚として「被害者は適正な補償をされるべき」と考えると思います。これは間違いなく正しいです。しかし、交通事故ではこのような考えは通用しません。
理不尽ではありますが断言できます。なぜなら、保険会社の仕組みがそうさせているからです 。
担当者は早く治療を打ち切ることで評価される
保険担当者の仕事は被害者に納得のいく通院期間を確保し、満足のいく慰謝料を支払うことではありません。
結論を言いますと「いかに早く補償を打ち切るか」が重要になります。保険会社は営利会社なので利益を最優先させます。なので、担当者は自社負担の金額を増やさないことが給与に直結します 。
被害者に「情」なんて全くない
大手の保険会社になると、担当者は常時100名前後もしくはそれ以上の被害者を同時に担当しています。このほとんどが電話・書面でのやり取りになります。
そのため、被害者に対していちいち情を持ってなんかいられません。極端なことを言うと、被害者に後遺障害が残ったところで早く打ち切れればそれでいいのが担当者です。
このように「正論」が通じないのが交通事故です。理不尽な想いをしないためにもまずは専門家にご相談ください 。
交通事故知識のない医療機関は保険会社から”圧”を受けやすい
実は保険会社は整骨院・整形外科・弁護士事務所など、過去に取引をした機関のデータを全て記録しています。具体的には「交通事故に強いかどうか?」という情報です。
例えば、交通事故知識に乏しい整骨院であることが事前に情報としてある場合、担当者は被害者ではなく整骨院に対して打ち切りの圧力をかけてきます。
もし、それに整骨院が応じた場合、たとえ被害者が正当な主張をしても問答無用で治療は打ち切られます。整形外科にしても同様です。
事実、当院も開業から1年前後くらいまで保険会社からやたらと電話が来ました。今よりも交通事故患者様が少ないにもかかわらずです。内容はもちろん理不尽な打ち切り交渉(笑)。
それに対して応じない姿勢を継続したことで、今では滅茶苦茶な電話はこなくなりました。このようなことから、被害者の方は「自宅からの近さ」だけで整骨院を選ぶのは危険と言えます 。
担当者は違法レベルの対応も平気でしてくる
理不尽な打ち切りを提案してくる担当者に対しては、正しいことを言ってもあまり意味がありません。なぜなら、「今月中に絶対打ち切る」というように”決め打ち”をしてくるからです 。
例えば、以下の画像をみてください。

被害者が正しい意見を言っても、担当者にとっては関係ないのです。何を言われても「今月末で打ち切ります」という流れに強引に持っていくことを決めているからです。
ちなみに画像を提供してくれた方は、その後に適切な対処をすることで通院期間を約2ヶ月延長できました 。
また、以下のような事例もあります。

こちらは簡単にまとめますと、保険会社から当院に「○○様の治療は今月で終了です。本人からも了承を得ています」という通知を送ってきました。
このような話を患者様から聞いていなかったので不審に思い、本人に確認してみると一切打ち切りに関する話はしていないとのことでした。なので非常に驚いていました。
違法と言っていいレベルの対応を平気でしてくるのが保険会社なので、被害者の方は細心の注意を払うべきです。
まとめ
交通事故後の治療において、保険会社からの理不尽な治療打ち切りは、被害者にとって大きな問題です。早期の打ち切りは後遺症リスク・慰謝料など、様々なデメリットをもたらします 。
保険会社は営利企業であるため、担当者は自社の利益を優先し、早期に補償を打ち切ることが評価される傾向にあります。そのため、被害者の状況に十分な配慮がされないケースが圧倒的に多いです 。
交通事故に関する知識を持つ専門家のサポートをなければ、適切な治療期間を確保し、正当な補償を受けることができません。
もし、保険会社から不当な治療打ち切りを提示された場合は、一人で悩まず、すぐに当院までご相談ください。