ネット記事の交通事故情報が“間違いだらけ”である理由

交通事故の情報を探そうとすると、Yahoo知恵袋やブログ記事、弁護士や整骨院のHPなど、様々な媒体で情報が溢れています。しかし、その中には間違った情報も少なくありません。「人身事故にしないと慰謝料が出ない」「物損事故のままだと補償で不利になる」「病院を変えたら不利になる」というような情報は全て間違いです。

実務では、こうした大雑把な前提条件だけで安易に結論を出すことはできません。重要なのは「ケースバイケース」という点です。では、なぜネット上には間違った情報が多いのでしょうか?

私は自分のライティングスキルの市場価値を知るために一時期ライターとして活動した経験から、その内部事情を知っています。この記事では、交通事故情報に関する誤解の実態と、なぜそうした間違いが広まっているのかを解説します。

外部委託よる交通事故記事作成が大半である事実

検索エンジンで上位に表示されるサイトのほとんどが弁護士事務所のサイトです。しかし、これらの記事は法律知識のないライターが書いている場合が大半です。

要は、外部に記事を発注しています。法律知識がないライターへ外注していることがほとんどになります。

知識のない分野を引き受けたライターは、他サイトの記事をマネして言い回しをわずかに変えて納品することが多いです。

実務経験がない人が書くからこそ、微妙な間違いが生じ、浅い記事が量産されることになります。

ライティング業界の内部事情を知っている理由

私がここまで細かい情報を知っている理由は、自分の経験に基づいています。経験・主張をわかりやすく伝えていくスキルを身につけたいと思い、10年以上専門的なライティングスキルを学んできました。

そこで一時期、自分のライティングスキルの市場価値を測る実験として、何件か記事を受注してみました。その過程で、記事納品の流れや弁護士がライターをどれくらいの単価で募集しているのか、法律知識がない人にも発注をしている実態が明らかになりました。

ライターへの支払いは1文字0.5〜1円が相場となっていることや、弁護士自身が記事発注するのではなく、交通事故の専門家ではない事務所のマーケティング部門担当が窓口になっていることもそこで知りました。

弁護士事務所の“本当の狙い”

弁護士は上位表示されればいいと考えているので、記事の細かい修正はしない傾向にあります。記事の量産をしてサイト上の評価が上がればいいという考え方です。なぜなら、弁護士事務所の本当の狙いは「後遺障害認定の可能性が高い被害者の集客」にあるからです。

弁護士の報酬体系は被害者の示談金が基準になり、サポート期間は関係ありません。示談金が高くなる案件は「後遺障害」です。これは通常の通院慰謝料とは別に発生する慰謝料になり、高額になります。

後遺障害案件の実態

後遺障害に関わる案件は弁護士が頑張るけれど、それ以外は手を抜くという事務所が非常に多いのが実態です。こういった理由から、弁護士事務所のサイトでは細かい実務情報が正しいかどうかよりも、後遺障害の情報を手厚くしていることが多いのです。

通院延長や過失割合の交渉を頑張っても儲からない

弁護士目線からすると治療期間の延長交渉や過失割合を10%前後減らすような交渉は、労力の割に弁護士報酬に反映されません。

保険会社との交渉する労力を減らし、効率よく案件をこなすことを優先するため、「本当に被害者が求めている対応」をしてもらえないことも多くあります。

情報の選別を間違えると泣き寝入りにつながる

交通事故に関するネット情報は間違いが多く、実際の状況とは異なる可能性があります。

「人身事故にしないと慰謝料が出ない」「物損事故のままだと補償で不利になる」といった情報は誤りであり、実際はケースバイケースで慎重に判断する必要があります。

ネット上の情報は、法律知識のないライターが依頼を受けて書いていることが多く、実務の情報がないため他サイトをマネして書きます。

交通事故被害者はネット情報に振り回されず、まずは専門家に相談することをお勧めします。その際も、複数の専門家に相談し、自分のケースに合った最適な対応を見つけることが大切です。

当院にご相談いただければ、「いま何をすべきか?」なども踏まえてアドバイスさせていただきます。

施術中・カウンセリング中は電話に出る事ができません。その際は必ず折り返しさせていただきます。