自転車で直進中、車から追突された10代男性の実例

交通事故でのケガや補償問題は、誰もが予期せぬタイミングで直面する可能性があります。特に、自転車に乗っているときに車に追突されるケースでは、身体的なダメージだけでなく、相手方との交渉や補償の手続きにおいても多くの困難が伴います。この記事では、実際に自転車で直進中に追突事故に遭った10代男性の事例をもとに、発生状況、負傷部位、治療経過、そして補償トラブルへの対応について詳しく解説します。

事故直後にどのように行動すればよいのか、また保険の知識を活かして補償を最大化する方法についても解説していきます。

交通事故発生状況

自転車で直進をしていたところ、後方からよそ見運転の車に追突されて発生。自転車ごと前方へ回転し、そのまま転倒して負傷。

過失割合

被害者側は直進中で動いてはいたが、交通ルールを犯しておらず、回避不能な発生状況であったため過失割合は0:100で決着。

とくに揉めることなくスムーズに決まりました。

負傷部位

頚部・腰部〜臀部を負傷。幸い骨の異常もなく、脳へのダメージも見られなかった。

交通事故発生直後の症状

頚部:鈍痛・動作時に違和感が増強

腰部〜臀部:鈍痛が強く、座っている状態が続くと痛みがさらに悪化。

治療内容

・手技:痛みが強い時期はかなり弱めの強さで施術をして、悪化するリスクを排除した。

事故から3〜4ヶ月経過したあたりから圧痛が軽減してきたので、そこから手技のバリエーションを増やす対策を取りました。

・超音波:まだ患部の圧痛が強い時期は機械の治療も導入して患部への刺激を最小限にしながら回復を促す対策を重視しました。

ケガの回復状況

頚部は緩やかではあるが徐々に痛みが軽減してきた。

それに対して腰は事故発生当初から痛みがかなり強く、施術中は少し押すだけで痛く感じてしまう過敏な状況。

ただ、根気よく治療継続することで徐々に痛みも軽減。最終的に9ヶ月の治療期間でほぼ完治しました。

抱えていた交通事故トラブル

加害者が無保険ということもあり、補償内容に限りがあったのが懸念ポイントでした。相手が外国人ということでなかなか意思疎通ができず、治療費などの回収が困難であると判断。

そこで相手が加入している自賠責保険に直接請求する手段を採用しました。

弁護士費用特約に加入されていたので、交渉目的ではなく自賠責保険への申請業務を弁護士に依頼。それにより、被害者本人は治療費負担0・慰謝料含めた交通費も補償される形となりました。

整形外科の転院

また、被害者が当院へ通院する前に整形外科受診をしていましたが、医師が整骨院併用を認めない方針でした。

そこで、当院で治療を先に進めつつ、整骨院通院を認めてくれる整形外科へ転院。約1週間後に整形外科を転院し、無事に整骨院併用の許可をもらうことができました。

総評

事故発生から早めに相談していただけたので臨機応変な対応が可能になりました。

入院したり骨折治療などがなければ自賠責保険内のみの補償であっても一定の治療期間は確保できます。たとえ過失割合0であっても相手の保険加入の状況・ケガのレベルによって最適な方針は大きく変わります。

また、整形外科の医師が整骨院併用を認めなくてもあとで転院すれば全く問題ないですし、補償においても不利になることはありません。

一歩間違えれば泣き寝入りする案件ですが、二重三重の手段を用意しておくことでなんとかなるいい事例でした。